宝厳院は天龍寺の塔頭寺院で、嵐山を借景にした獅子吼(ししく)の庭で知られています。嵯峨野周辺には、紅葉の名所が数多くありますが、ここをナンバー1紅葉スポットにあげる方も多いです。
宝厳院で紅葉の写真を撮影するのにおすすめの場所は?
室町時代に策彦周良(さくげんしゅうりょう)が造った「獅子吼(ししく)の庭」。獅子吼とは、お釈迦様が説教する姿を獅子が吠える姿に例えた言葉です。
獅子吼の庭には、獅子型の岩やお釈迦様・文殊菩薩・普賢菩薩に例えた三尊石、鯉が滝を上る姿を描いた岩などがあり、200数十本の紅葉も見ることができます。苔の生えた庭では、シーズン終了間際に散り紅葉とのコラボも楽しむことができますよ。
獅子吼の庭の出口から壁沿いに続く、山門前のもみじのトンネルも、紅葉の写真を撮影するベストスポットです。
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宝厳院では、庭園「獅子吼の庭」やもみじのトンネルなどで、ライトアップを楽しむことができます。
その年の気温の変動によって多少時期は異なりますが、11月中旬から12月上旬にかけて、紅葉の見ごろを迎えます。その年の状況は、インターネットの紅葉情報でご確認ください。
3月17日~6月30日(2018年)にも「獅子吼の庭」が公開されるので、人が少なめな青もみじの時期に訪れるのもいいかも。
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ライトアップは、拝観開始時間が一番混雑します。特に、11月23日周辺の土曜・日曜・祝日はピークの時期です。受付時間の終了間際に入場すると、割とゆっくり見学することができます。
宝厳院に入場する際には、チケット売り場も混雑します。事前にチケットを購入すれば、入場も楽にできますよ。
秋の特別拝観時には、日中用の「癒しの嵐電1日フリーきっぷ」、ライトアップ用の「宝厳院夜間特別拝観セット券」が発売されます。
「癒しの嵐電1日フリーきっぷ」は、宝厳院の庭園(通常500円)+本堂参拝(通常500円)+嵐電1日フリーきっぷ(通常500円)がセットになって1300円、と通常より200円お安く購入できます。
「宝厳院夜間特別拝観セット券」は、宝厳院の庭園ライトアップ(通常600円)+嵐電乗車券(片道運賃200円分)+嵐山駅の足湯利用券(通常200円)がセットになって700円と、通常料金よりも300円お安く購入することができますよ。
「癒しの嵐電1日フリーきっぷ」、「宝厳院夜間特別拝観セット券」は、京福電車(嵐電)の四条大宮駅・嵐山駅・北野白梅町駅・帷子ノ辻駅の駅窓口で購入可能です。
日中に宝厳院を訪れる場合、朝一番の訪問をおすすめします。
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「獅子吼の庭」では、茶室・無畏庵で紅葉を眺めながら抹茶をいただくことができます。「獅子吼の庭」にある碧岩は2億年前には海にあったといわれる巨岩です。
「獅子吼の庭」と別料金ですが、本堂では田村能里子画伯作の襖絵「風河燦燦三三自在」を見ることができます。この襖絵には主に朱色が使われているのですが、この色は胎児がお腹の中で見る色なのだそうです。
宝厳院ではないのですが、獅子吼の庭を造った策彦周良が住職をつとめた天龍寺の塔頭寺院・妙知院にある西山艸堂 (せいざんそうどう)は、嵯峨野の湯豆腐発祥地です。「森嘉」の豆腐を使った湯豆腐の定食が食べられます。人気のお店なので、宝厳院を訪れる前に予約して、その後にお食事するのもいいかも。
天龍寺
夢窓疎石作の曹源池庭園で嵐山を借景とした紅葉を眺められるだけでなく、参道や庫裡前などいろんな場所で紅葉を眺めることができます。紅葉時期には早朝拝観も行われていますよ。
弘源寺
天龍寺の塔頭寺院です。本堂には、竹内栖鳳(たけうちせいほう)一門の作品が飾られています。これらの作品は、弘源寺で病気療養中の竹内栖鳳の息子さんを励まそうと描かれた作品だそうです。
嵐山を借景にした枯山水庭園「虎嘯(こしょう)の庭」で紅葉を鑑賞することもできます。
大悲閣(千光寺)
嵐山の中腹にある、角倉了以(すみのくらりょうい)が大堰川(保津川)の工事で亡くなった方を悼んで建てたお寺です。境内からは、大堰川や京都市内を望むこともできます。もちろん、眼下に紅葉も眺めることができますよ。
開館時間:9時~17時(受付終了16時45分)
ライトアップ:11月10日~12月3日(2017年)17時30分~20時15分受付終了
拝観料:大人500円、小中学生300円
庭園ライトアップ:600円、小中学生300円
アクセス
京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町36
- JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅下車、徒歩10分
- 京福電車嵐山線嵐山駅下車、徒歩3分
- 阪急電車嵐山駅下車、徒歩10分
- 市バス嵐山天龍寺前駅バス停下車、徒歩約5分
- 京都バス京福嵐山駅前バス停下車、徒歩約5分
- 駐車場:有料(天龍寺駐車場)
まとめ
春と秋の特別公開時にしか見ることのできない宝厳院。遣明使として2度明(現在の中国)に渡った策彦周良が造った「獅子吼の庭」は、京都の名園を紹介した江戸時代の本「都林泉名勝図会」にも登場しています。ライトアップの美しさでも知られる「獅子吼の庭」。ぜひ、ご自分の目でとくとご覧になってみてください。